広報誌や記念誌の担当になったら、「写真を集める」という仕事が発生することは多いでしょう。
商品の写真とか、建物の外観写真とか、顔写真とか。
そうした写真は、自分で撮影したり、人にお願いしたりして用意することになりますね。
印刷物用に写真を撮影するなら
印刷物に載せるための写真を自分で撮る場合は、印刷物に使う写真データはネット用よりも精細なものが必要です で書いたとおり、デジカメで撮ってjpgファイルを用意するのが基本です。
その時、必要以上にデータが大きすぎる写真は、保存メディアの容量もくうし、データの送受信や誌面制作時に無駄に重くなります。
また、印刷物の版下制作でいうと、大きい写真を一気に縮めると実は汚くなってしまうので、少しずつ小さくするなどの手間がかかります。
大きすぎる写真は小さすぎる写真よりはるかにマシではありますが、サイズの設定が面倒でなければ適切なサイズで撮影するのが良いです。
解像度など言い出すと難しげになるので、おおざっぱな目安で、A4誌面の1/4程度までの大きさで載せる写真なら、データサイズが600~800KBになるくらいがいいと思います。A4全面に使うような写真なら、数MBくらいな感じです。
他に撮影時の注意点としては、逆光に注意とかはもちろんあるんですが、印刷物に特有な注意をいくつか。
- 顔写真などを丸く抜く可能性がある時は、上下左右に余裕を持たせて撮る。
顔写真などで余白がなさすぎて、丸く抜くと顔でいっぱいになるやん!ってことがあります。(上下左右を塗り足して抜く加工はできますが、こうした手間を増やすとコストが上がります) - 人や物を切り抜いて載せることがわかっている場合は、人や物が全部写るように。
なんとなく撮ると、意外と端っこが切れていたりします。背景は、切り抜く対象とはっきり異なる色で、できるだけ1色の背景にします。 - 縦長写真か、横長写真か、人の顔が右向きか左向きかなどは、誌面イメージができていればそれに合わせますが、写真や原稿をまとめてから誌面をデザインすることもよくあるので、その場合は縦横や向きのバリエーションを持たせて撮っておく。
印刷物に載せる写真を、人からもらう・借りる
他の人に写真の提供をお願いする時は、依頼する時に次のようなことを伝えるといいでしょう。
- データで頂ける場合は、デジタルカメラで撮影したjpgファイルで。
- プリント写真は、掲載サイズ以上の大きさのもの。(例えば、顔写真の顔を3センチ*4センチくらいで載せるなら、「お顔の大きさが幅3センチ以上で写っているのを目安に」など)
- 写真に文章を添える必要があり、写真提供者から教えてもらう必要がある場合は、同時に頼んでおく。(何年何月の写真かとか、場面を説明する短文とか)
- 上記の文章に限らず文章と写真をもらう場合は、写真をワードに貼り付けて入稿されることが時々あるので、「写真データは、文章とは別にjpgファイルでご提供ください」と添える。
- プリント写真の場合は、返却するかしないかを予め伝える。返却する場合に、返信封筒や宛名などを所望するかも事前に決めて伝えておく。
あと、「ウェブサイトの写真を使ってほしい」といわれることがあります。
それしかなければ仕方ないのですが、印刷物に使う写真データはネット用よりも精細なものが必要です で述べたように、やはり印刷物には不十分なデータでしかありません。
それから、いったん印刷物になっている本やパンフレットなどの写真を使ってほしい、といわれることもあります。
これも、できないことはないですが、再度印刷物にするためのデータ化に、特別な機械や技術を要することがあり、意外と費用がかかることもある、と考えていただいたほうがいいです。
やはり、オリジナルの写真があるに越したことはない、ということです。