記念誌・社史や冊子、広報誌・機関誌などを作る時に、編集委員会を設置することがあります。
編集委員会を構成する編集委員は、通常は発行元の責任者が編集委員の候補を立てて、その人たちに呼びかけて、設置します。
編集委員の人選
編集委員のメンバーは、例えば記念誌・社史であれば、時代や立場のバランスを考えて、全委員でもって全体が見渡せるように構成するとよいでしょう。
たとえば、創設から30年までを網羅する30周年記念誌なら、創設時のことがわかる人、途中の時代の重要な出来事がわかる人、最近のことがわかる人、今後を託していく人…などをバランスよく含めます。部門のバランスや、男女比も考慮することもあります。
編集委員会は、忌憚なく話し合って、良い記念誌や冊子を作っていくための場ですから、あまりに大御所の方に入っていただくと、他の編集委員が委縮したり、読者よりもその方を優先してしまったりすることがあります。メンバー同士の関係性にも、配慮が必要です。
編集委員会の役割
編集委員会のもっとも重要な役割は、企画です。
つまり、どんな目次の本にするか、それぞれの章でどんなことを載せるのか、それを誰が書くのか、ということを決めるのが、一番重要な役割です。
それから、見た目の形としてどんな本にするのか(仕様や体裁)も、大きくは編集委員会が決めることが多いでしょう。写真中心か文章中心か、カラーなのか白黒なのか、どんな紙を使うか、表紙はどんなタイプにするのか…といったことです。
執筆については、編集委員の一義的な仕事は「誰が書くのかを決める」ことなので、編集委員自身が書くかどうかは、別の問題です。
編集委員自身が書くこともあれば、ほかの人に依頼することもあります。(先述の「あまりに大御所」の方などは、このような依頼先として有力になります)
編集委員と、いわゆる編集作業
また、本を実際に形にしていくための編集作業については、事務局が担ったり、もっというと専門性を必要とする作業なので本当は編集会社などに外注するのが望ましいです。しかし、公立学校や市民団体などだと、編集委員自身が事務局や編集・制作の役割を担わなければならないこともあるでしょう。
その場合は、事務局的な仕事や編集の仕事ができそうな人を、委員に加えておかなければなりません。具体的には、パソコンやインターネットが苦労なく使えて、ある程度文章力があり、情報整理が上手(これはかなり重要です)な人です。
注意していただきたいのは、こうした能力はあくまでも本を作るための機能として必要なものである、ということです。
編集委員会に本質的に重要なのは、本の中身を考えるのに必要な経験や知識を持っているかということのほうです。機能は外部で調達できますが、会社や学校や団体の歴史や、何かのテーマをまとめ上げるためにベースとなる経験や知識は、どこからも調達できないからです。
就任依頼
「編集委員になってほしい」とお願いするときは、
- どんな発行物をつくるのか
- 編集委員の予定メンバー
- 編集委員の役割
- 編集委員会の開催日や回数の予定
- 謝礼の有無、金額など
といったことを伝えて、交渉します。
編集委員の中で委員長が設けられることも、よくあります。
委員長なしでも機能しないことはありませんが、発行者・編集者の立場からいうと、委員長がいたほうが、進行にちょっとした相談や確認が必要な時に助かります。編集委員会自身が事務的なことや編集を進めないといけない場合も、実務担当者にとっては委員長と調整して進められるほうが、機能的でしょう。
委員長は、あらかじめ発行者側で依頼しておくこともあれば、初回に話し合ってその場で決めることもあります。
発行者側で依頼しておいた場合でも、初回の編集委員会で「○○さんに委員長をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか?」というように、委員の同意を得る場面を作ったほうがよいでしょう。
副委員長を置くかどうかは、ケースバイケースです。委員長ひとりだと荷が重かったり、委員長以外に他の委員と異なる何かの役割を持つ人が必要などの事情があれば、置くとよいと思います。そうでなければ、必ず置かないといけないものでもありません。
編集委員会を実際に開催する時の話は、編集委員会の開催をご覧ください。
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