信頼できる相手のメールなのに、「このメールにはご注意ください」という警告文が、オレンジ色の囲みで表示される。Gメールでメール受信していると、目にすることがあります。

このメールにはご注意ください
Gmailでは、このメールが本当にXXXXから送信されたものであることを確認できませんでした。……（略）……

迷惑メールとして報告　｜　フィッシングを報告

こんなやつです。ぎょっとしますよね。
信頼できるメールであるかどうかは、内容から判断するか、送信者に問い合わせるかしかないのですが、 本当の迷惑メールやスパムメールではないことも多いので、慌てて「迷惑メール報告」しないようにしたいものです。

警告は、本物の送信者なのかGメールが疑っているから

警告が出る原因は、書かれている通り「本物の送信者が送っていることをGメールさんが確信できない」からです。
いくつかの例を調べた中では、送信者のメールアドレスが偽りないものであることを示す重要な手がかりの「SPF」（ Sender Policy Framework ）に疑いがあるケースが多いです。

SPFに疑いがあるのかどうかは、受信メールの「ソース」を見れば分かります。メールのソースには、メールの本文だけでなく、送られた経路などが詳しく載っています。

受信メールのソースの中に「Received-SPF: softfail（XXXX…）」 という記述があれば、SPFに疑念があるんだな、と考えて良いでしょう。failは「不合格」の意味です。なので、「準不合格」くらいの感じでしょうか。「絶対危険とは言わんけど、保証はしませんよ」みたいな。

メールの ソースの見方はメールソフトによって違いますので、「Gメール」「Outlook」などメールソフトの名称プラス、「メール　ソース」などのキーワードで検索して調べてください。

メールを送る側がSPFレコードを設定する

警告が出ないようにするには、受け取る側が何か設定するのではなく、メールを送る側がSPFの設定をする必要があります。

SPFの設定は、メールアドレスの＠マークの後ろにある「ドメイン」の関連情報として設定します。このドメインが、多くの場合は「独自ドメイン」になっていると思います。ホームページのURLと共通で使っていることも多い、団体名や会社名になぞらえたやつで、最後に「.org」「.com」「.jp」とかで終わっているやつです。

具体的には、ドメインをサーバーにつなぐ情報が書かれた「DNSレコード」の中の「SPFレコード」に書きます。独自ドメインを当てているメールサーバーの管理パネルからSPFレコードの設定画面に入ることができれば、そこで書き換えることができます。

独自ドメインのメールをGメールから送っている場合のSPFレコード設定

SPFレコードに書く内容は、平たく言うと「このドメインのメールは、このメールサーバーから送信しますよ」ということです。

メールを受けとったサーバーのほうは、送信元のドメイン関連情報に「どのサーバーから送信しはりますの？」と照会しにいきます。実際に送信を行ったサーバーがそれとは違うサーバーだったら、「うわ、違うやん。全体には安全そうやけど、SPFは不合格ね」と、受信サーバーが判断する、というわけです。

なので、対策は「送信を行うサーバー」をドメインのSPFレコードに書くということです。
書くためには、送信サーバーを特定しないといけません。送信サーバーを知るために、警告が付いた受信メールのソースに書かれている「 Received-SPF: softfail 」のあとに出てくるIPアドレスを見るのは一つの方法ではありますが、独自ドメインのメールをGメールから送信している場合、注意が必要です。

いくつかのソースを見ると分かりますが、Gメールから送るメールは、その都度送信サーバーのIPアドレスが変わります。1つのIPアドレスだけをSPFレコードに書いても、別のIPアドレスのサーバーから送信されたら、また警告が付きます。

Gメールから独自ドメインのメールを送信して「このメールにはご注意ください」が付いてしまうときは、IPアドレスではなく、「include:_spf.google.com ~all」を書きます。上記に悩んだあと私が対応した例では、解消されました。

参考にしたページは、以下になります。Googleのサポートページですね。
https://support.google.com/a/answer/10685031

SPFレコードは、記述を間違えるとメール送信ができなくなるので、慎重に行ってください。ご自身では不安な方は、 弊社でサポートを承っています。お気軽にお問い合わせください。（状況により対応できない場合があります）