知的障害児者施設の権利擁護を推進する啓発ポスター(大阪市)

一般社団法人大阪知的障害者福祉協会様の啓発ポスターを作成しました。
障害のある方が利用されている会員施設で、利用者さんの権利擁護が推進されることを目的とした啓発ポスターです。

人物写真撮影:Blanket(KONDO SAYUMI)
ヘアメイク:NORIKO ITAKURA

支援スタッフのご意見をたくさん聞かせていただきました

デザインとキャッチコピーの検討にあたって、ポスター作成を担当された権利擁護委員会の企画会議に同席させていただきました。

これが、大変勉強になりました。
当初、漠然と思っていたのは、「虐待は絶対だめ」的な表現です。それが間違っていたことが、会議が進むうちにはっきり分かりました。

ひとつは、利用者さんへの暴言・暴力が生じる大きな原因に、支援にあたる職員さんの「支援力不足」の問題がある、という点です。

以前「虐待防止」の本に関わった際にも伺っていた点なのですが、再認識しました。
「してはいけない」ことをしてしまうのは、適切なやり方を知らないから。「禁止」する前に、「ではどうするべきなのか」を伝えることが肝心だ、と。
子育てや学習、仕事の場に、広く共通する原則でもある、と思いました。

もうひとつは、支援力を高めていくために、風通しのいい職場環境は欠かせない、という点です。

人が対象の仕事なので、対応は利用者さんの数だけある。適切な支援を選択し実行する力は、すぐに身につくものではない。その時に、職場内ですぐ相談し、話し合えるかどうかが、支援力向上の決め手になる――というような話だったと思います。
忙しい職場で、支援力が組織の力として保有されるために、絶対必要な条件なのだということを教えていただきました。

支援対象の方の立場に立つことと、組織の風通しをよくすること

ポスターのサイズがA3で、2種類の作成が可能という条件でしたので、小さめのポスターが2枚セットで訴求できるようなデザインとコピーを考えました。
コピーは、現場で集められた声をもとに、支援対象の方の立場に立つことと、組織の風通しをよくすることをテーマにしました。

モデルは、会員事業所の職員の方です。プロのヘアメイクの方に入っていただき、スタジオで撮影していただいて、すばらしい仕上がりになりました。