会社の定期健康診断は、バリウム・胃カメラ無しにする

協会けんぽの健康診断だと胃のレントゲンか胃カメラ検査が必須

会社を作ると、健康保険は、個人事業の時の国民健康保険や同業者の健康保険組合とは違うものに変わります。小規模な会社だと、大体は全国健康保険協会(協会けんぽ)に入るのかな?よく分かりませんが、私はそこに入っていて、「健康診断のご案内」というのが届きました。

そういえば、お勤めしていた時に毎年受けていたなー、胃のレントゲン検査でバリウム飲むの嫌だったなーと思いながら読むと、胃部レントゲン検査(または胃カメラ)がやはりセットされています。ご丁寧に、「一部の検査を省くことはできない」とまで書いてあります。

法律上は、胃のレントゲン検査は必須ではない

えー、また毎年バリウム飲まないとあかんの、と思って法定健診項目を調べてみると、法律で従業員に受けさせなければならない検査項目は以下になっています。(厚生労働省サイト http://www.mhlw.go.jp/ 内のPDFファイル「健康診断を実施しましょう」より)
1 既往歴及び業務歴の調査
2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3身長(※)、体重、腹囲(※)、視力及び聴力の検査
4 胸部エックス線検査(※)及び喀痰検査(※)
5 血圧の測定
6 貧血検査(血色素量及び赤血球数)(※)
7 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)(※)
8 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※)
9 血糖検査(※)
10 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11 心電図検査(※)
(※は、ある条件を満たせば省略できる検査です。40歳未満に適用される、など)

ここには、胃部レントゲン検査は入っていません。
なんだ、協会けんぽが被保険者(従業員本人)向けに提供している「生活習慣病予防検診」では必須というだけなんですね。だったら、わが社では法定項目だけの健康診断を独自に行うことにしよう、と考えました。こういうのを自由に決められるのも、起業の良いところですね。

協会けんぽの健診以外で法定健康診断を実施する場合の費用

協会けんぽの検診は、「通常約18,000円の検査に協会けんぽが約11,000円を補助して、約7,000円で受けられる」とあります。

(通常はこの検診を、会社として実施しなければならない法定定期健康診断に代えるでしょうから、7,000円は従業員個人ではなく会社の負担ということになります。従業員の方には、会社の負担がいくらであろうがあまり関係ないかもしれないので、ここからの話は経営者にむけたものです)

では、協会けんぽの補助を受けずに、会社が独自に医療機関を探して法定の定期健康診断を実施すると、会社負担はいくらになるのでしょうか?

当社が所在する大阪で行きやすそうなエリアを調べてみました。また、非常に個別的な要件ですが、一日中ディスプレイに向かう日もあり眼を酷使する仕事なので、眼底検査のオプションがある場合も付記しました。このパターンでの眼底検査オプションは、生活習慣病を想定したものかもしれませんが…。
あと、各地域の商工会議所も法定の定期健康診断を提供していることが多いと思うので、調べてみてください。

恵生会アプローズタワークリニック
定期総合健康診断:9700円+税
http://www.keiseikai.or.jp/applause/#medical-check_01
大阪市北区茶屋町19-19阪急茶屋町ビル(ちゃやまちアプローズ)7階
*検診メインな感じ。土曜日もやってそう。カード払いOK。

京星会JOH&PARTNERS
法定検診3:9500円+税 眼圧検査:1000円+税 眼底検査:2000円+税
http://joh-partners.com/shindan/tokutei/
大阪市北区曽根崎新地1丁目4-20桜橋IMビル2F
*一般内科、自費診療もされています。アンチエイジングとかも有り。

健康保険組合連合会大阪中央病院
一般検診B:11340円(税込)
http://www.osaka-centralhp.jp/kenkan/naiyou.htm
大阪市北区梅田3-3-30

済生会中津病院 総合健診センター
法定健康診断:13813円(税込)
http://www.nakatsu.saiseikai.or.jp/kenshin/checkup/checkup/
大阪府大阪市北区芝田2丁目10番39号

新大阪総合健診センター
検診2:9500円+税
http://www.hep-shinosaka.com/kenshin/doc_table.html
大阪市淀川区西中島3-2-11

医療法人厚生会大阪西クリニック
定期健康診断:8000円(多分税別) 眼底検査:2400円(多分税別)
http://osakanishi-c.jp/guidance/medical.html
大阪市西区南堀江3-15-26ジェイエムエル大阪ビル7階
*検診メインな感じ。心斎橋、貝塚にも有り。

胃部レントゲン検査は、リスクも指摘されているよう

「バリウムを飲みたくない!」というのは、「嫌だ!」という子どもっぽい理由ももちろんありますが、リスクの指摘が結構見あたるためでもあります。
大きくは、バリウムを排出しきれなかったときに消化器に穴が開く事故と、放射線被ばくの問題があるように思われます。詳しいわけではないので確証を持って語るわけではありませんが、例えば「バリウム 危険」で検索すると、いろいろ出てきます。こんな本もあります。

バリウム検査は危ない: 1000万人のリスクと600億円利権のカラクリ
岩澤倫彦 著  2015.11.3. 小学館

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もちろん、胃部レントゲン検査でがんが発見できた例もあるでしょうから、胃の検査を受けるかうけないかは、自己責任(この場合は会社の方針、かな)での判断ではあります。

それにしても、法定の検査項目だけの健診を実施すると会社の費用負担が大きくなるようにしている協会けんぽのやり方には、強く疑問を持ちます。法定を上回る部分は実質的に各社の判断に委ねるべきところだと思うので、補助金の出どころが保険料にせよ税金にせよ、特定の検査受診に誘導することにそうしたお金を使うのは、やめてほしいものです。

※文中の情報は、すべて2017年7月22日に調べた内容です。