ドキュメンタリー映画「百姓の百の知恵」(柴田昌平監督)の感想

ドキュメンタリー映画「百姓の百の知恵」を見に行きました。

「お百姓さんの豊かさに焦点を当てた映画を作ることで、
貧しい・大変な仕事というイメージを打ち破りたかった」と話す 柴田昌平監督。
もともと学生時代から農業に関心を寄せていて、今回念願をかなえて4年がかりでこの作品を作られたそうです。

百姓とは

百姓は百の仕事という意味で、
農作物を収穫するゴールに行きつくために、あらゆることを自分でする。


天候・土壌・周りの動物や昆虫などの環境から作物の状態を見極め、
必要なケアは何か、そのケアを行うタイミングを判断して農作業を進めている。
農耕に使う機械のメンテナンスまで自力でやってしまう様子にもびっくりしました。

毎日食べる野菜や肉がどのように作られるか

野菜といえば、私にとってはスーパーで無機質に並べられていて、ありふれているもの。一日三食、なにげなく口にする農作物がどのように作られているのか想像することもなく暮らしていました。

汗水流し工夫して突き止めた知恵を農家たちで分かち合いたい、という農家のみなさんのあたたかな連携。「同じ種から育てても、作る人が違えば同じ質のものができるとは限らない」と話す高級ブドウ生産者の誇らしげな表情が印象深かったです。

また、国産飼料で育てた畜産物は耳にしたことはあったけれども、単純に高価なイメージしか持っていませんでした。

その国産飼料の生産についても紹介されており、海外輸入に頼っているものを国産で供給する挑戦も垣間見ることができました。生産者、販売者が協力し合い、身を削りながら試行錯誤して実現したものだそうです。

作物を育てる環境を読み解き、一つ一つ自分たちで解決するべく奔走する農家のみなさんに尊敬と感謝の念を向けずにはいられません。